この記事では「粘膜疾患」を紹介します。

当院は歯茎や頬粘膜の異常を判別する特殊な機械を用い診断していきます。

粘膜疾患とは

お口の中に、このようなお悩みはありませんか?

  • 口内炎が、繰り返しよくできる。
  • 食事や歯みがきなどをしているときに、口の粘膜が痛む。
  • 風邪など体調を崩したときに、唇や口の粘膜にぶつぶつとしたものができる。
  • 口の粘膜に白いスジ、もやもやとした模様がある。
  • 口の粘膜の一部が赤く荒れている。しみる。
  • 舌、頬の内側、上あごなどに、こすると取れる白いものがいくつもある。
  • 口の粘膜に水ぶくれのようなものができた、と思ったら粘膜がすぐにつぶれたり剥がれたりして痛む。
  • 口の粘膜に、白く消えないざらついたものがある。

など、上記でお悩みの方は、口腔粘膜疾患を伴っている可能性があります。お気軽にご相談ください。下記に、主な口腔粘膜疾患をお示しします。

主な疾患

粘膜疾患は数多くありますがその中でも代表的な疾患をご紹介いたします。

再発性アフタ

口腔粘膜を誤って咬んだ覚えがない、あるいは誤って咬んだり傷つけたりしないような部位に、周期的に繰り返し痛みを生じることがあります。

原因がはっきりとしていれば、その原因治療を行うことが重要ですが、再発性アフタはその原因はいまだ不明とされています。一般的な治療はステロイドを含有した軟膏の塗布などですが、いったん症状が消失しても再度繰り返し症状が現れてしまう傾向にあります。

ウィルス性口内炎

代表的なものにヘルペスや帯状疱疹があります。また、ヘルパンギーナや手足口病など、主にお子様に生じることが多い疾患が成人に生じることもあります。

症状の初期には抗ウィルス薬の投与が有効なことがありますが、補助的な対症療法で症状の緩和を図ることもあります。

口腔扁平苔癬(へんぺいたいせん)

原因は明らかにされておりませんが、口腔粘膜に白いレースのカーテンのような模様が生じたり、発赤、潰瘍、水疱、白斑などといった、多彩な症状を呈するとされています。痛みは、生じる場合と生じない場合があります。

また、金属アレルギーやC型肝炎ウィルスなどとの関連も示唆されているとの報告がこれまでにもあり、明確な原因が考えられる場合の扁平苔癬様病変と区別されることがあります。

口腔カンジダ症

お口の粘膜に存在する「カンジダ菌」という真菌(カビ)の一種により、お口の粘膜に拭える白い苔の塊のようなものが現れたり、お口の粘膜が赤く荒れたりします。それに伴いお口の粘膜に苦味や味覚の異常が生じたりすることもあります。

原因には、ドライマウス、口内炎、おからだの病気や、その病気に対する治療に使用するお薬の副作用に伴う免疫力の低下あるいは抑制により生じる場合、また入れ歯にカンジダ菌が付着し、お口の粘膜に影響を及ぼすことなどが考えられます。

自己免疫性水疱症(天疱瘡、類天疱瘡など)

原因はよくわかっていませんが、お口の粘膜や皮膚に水ぶくれが生じる病気です。お口の粘膜は、水ぶくれができてもすぐに破れてしまうことが多く、びらん・潰瘍という症状になり、痛みや出血などを伴います。

そのため飲んだり食べたりがしづらかったり、歯みがきがしづらくなることがあります。また強い口臭を伴うこともあります。

皮膚科での検査・治療が主体となる病気ですが、お口の粘膜に先に症状が出ることがあり、とくに歯茎に症状が出ると、歯周病との見分けが難しく、歯医者さんで歯周病の治療のアプローチを行っても改善に至らないためにこの病気が疑われることもあります。

当院を受診された方で、自己免疫性水疱症(天疱瘡、類天疱瘡など)が疑われる際は、専門医療機関への速やかな依頼を行わせていただきます。

また、この病気の治療中における歯のブラッシングなどの口腔ケアは、普段通りになかなかできないことがあります。当院では、患者さんの通院が可能であれば、口腔ケアの方法などをご指導・サポートさせていただきたく思います。

白板症

口腔白板症は、WHO(世界保健機関)の診断基準1)では、「口腔粘膜に生じた摩擦に除去できない白色の板状あるいは斑状の角化性病変で、臨床的あるいは病理組織学的に他のいかなる疾患にも分類されないもの」とされています。

「前がん病変」とされており、口腔がんとの鑑別が非常に重要とされます。

悪性腫瘍(がん)

口腔粘膜にも「がん」が生じることがあります。見た目が明らかなものから、口内炎との判別が難しいものまで様々な状態が考えられます。

汐見先生

軟膜疾患は患者様ご自身で判断がしにくいものがほとんどです。お口に中で気になるところがあれば小さいことでも構いませんのでお気軽にご相談ください。

まとめ

お口の中は、日常生活の中で気づかないうちに様々な刺激を受けています。進行の早いお口の中の病変において、当院では早期発見・早期治療を心がけております。

少しでも違和感等ありましたら、お気軽にいつでもお申し出下さい。

また、悪性病変の疑いや、精査及び加療が必要な症例では、病院口腔外科への精査・加療依頼をさせていただきます。

汐見先生

患者様一人一人にあった治療法をしっかり説明させていただきます。是非ご相談ください。